東レは27日、自動車用タイヤの補強材などを製造する子会社の東レハイブリッドコード(愛知県西尾市)が製品検査データを改ざんしていた問題で、弁護士で組織する有識者委員会の調査報告書を発表した。原因について「品質保証に対する子会社経営層の関心が薄く、現状の把握を怠った」と指摘。人手不足の中、納期を優先させ、規格外であっても品質には問題ないと考えたことが動機だと分析した。

 東レハイブリッドコードは2008年4月〜16年7月、取引先と約束した規格からはずれた補強材の強度など149件のデータを規格内に合うよう書き換え、タイヤメーカーなど13社に納入していた。有識者委員会の調査で新たな不正は見つからなかった。法令違反も確認できなかった。改ざんを行ったのは2人の品質保証室長以外には見つからず、「役職員の関与はなく、組織的に行われたものではないと認められる」と結論づけた。

 同社は16年7月に不正があることを把握したが、東レは17年11月28日まで公表していなかった。報告書は「東レの報告を受けた顧客の多くから報告の遅れの指摘を受けて批判を受けたことについては真摯(しんし)に受け止めなければならない」と指摘した。

 東レは品質保証本部を年明けにも新設し、担当役員を置き、再発防止に取り組む方針を明らかにした。

 東レグループ全体の調査を年度内に終え、関係者の処分を検討する。
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