0001ノチラ ★
2017/12/05(火) 10:40:55.24ID:CAP_USER山田:データを活用した広告事業は、今後の10年における重要事業ですか。
三木谷:いや、ワンオブゼムです。AI(人工知能)を使ったさまざまなサービスの自動化であったり、オプティマイゼーション(最適化)というのはどんどん進んでいきます。もうあらゆるものが再定義されていく。たとえば教育というものも再定義されていくだろうというふうに思いますし、10年経てば、「なんで昔は学校が必要だったんだっけ?」という話になると思うんですよね。
山田:再定義を進めるうえでは、数多くの規制の壁がある。政府による規制改革が必須です。
三木谷:日本の今までの強さが、残念ながらこれからはマイナスに働く時代になる。つまり、日本はきわめて安定したシステムを作ってきたわけですが、これは変革期には非常に弱い。たとえば、ライドシェア(相乗り)は日本では、いまだに認められていないし、民泊についても本来であれば、さらに積極的に進めるべきだと思うんですけども、いまだに制限をかけようとしている。これは心配な動きです。
これからはブロックチェーンベースのプライベートカレンシー(私的通貨)も出てくるでしょう。そういうものについても、とにかく前向きに、積極的に進めていくという姿勢がないと広まっていかない。
まったく進んでいないとは言えませんけど、総じて言うと、やはり後手後手に回っている。既存の規制が壁になっているところがあるので、この規制をいかに撤廃していくか。本当に絶対必要というもの以外の規制については、見直していくべきだと思っていますし、それは楽天一企業じゃ難しいので、業界として力を集めて、新経済連盟としてやっているわけです。
山田:多くの政治家や官僚は、規制改革が必要であることはわかっている。しかし、「森友・加計問題」のようなことが起きると、岩盤規制の改革にはネガティブなイメージが付きまとって改革が停滞してしまう。これは日本の大きな不幸だと思います。
三木谷:政治の状況がどうであったとしても、現実は待っていてはくれない。これだけは事実です。もう、議論をしているような状況ではなくなりつつあるのは間違いない。たとえばお隣の中国ではキャッシュレス化が徹底的に進んでおり、もうキャッシュを使って買い物をするのは日本人旅行客ぐらい、というふうになってしまった。わずか数年でそこまで進んでいるんですよ。
もっと驚くのが交通信号です。交差点の信号も、ライドシェアリングカンパニーが、赤と青のタイミングを決めるようになっている。データを持っているところが決めたほうが効率的ですから、なにもお役所がやる必要はない、と。そのくらい先に行っちゃってるわけです。ところが日本はまだライドシェアは白タクであるというふうになっているわけで。
つまり、ライドシェアの先では、都市構造自体も大きく変わっていくわけです。にもかかわらず、日本の大きい遅れは心配ですね。日本の最も中核であった自動車産業についても、厳しい状況に追い込まれるシナリオが十分考えられる。だからこそ、われわれとしては前向きに、新しいことをやっていきましょうよということで官庁、そして永田町にも働きかけているわけです。
基本的には、「なんでこの規制が必要だったんだっけ?」というところから議論を始めればいい。おそらくライドシェアを禁じている理由は「乗客の安全性を守るため」ですよね。別に業界団体を守るために規制を始めたわけじゃない。「じゃあ、今の仕組みがその安全性を守るための最善の方法ですか」という話。実際にライドシェアをやっている国は多いので、そこと日本のタクシーと比べてどっちが安全なのかを検証すればいい。その結果、安全性に問題があれば、克服できる可能性があるのかどうかを検証すればいい。この分野は、これ以上遅れると極めて厳しい状況になります。いっそのこと、追いつこうとするのではなくて、むしろ他の国よりも前に出ることを考えたほうがいいと思うんですよね。
http://toyokeizai.net/articles/-/199761