半導体の業界団体、世界半導体市場統計(WSTS)は28日、2017年の世界の半導体市場が16年に比べて20.6%増の4086億ドル(約45兆3600億円)になりそうだと発表した。6月の予測値から200億ドル上方修正し、初めて4000億ドルの大台を突破した。スマートフォン(スマホ)の大容量化やデータセンター需要の高まりで、好調なメモリー市況が市場を押し上げた。

伸び率はリーマン・ショックでの落ち込みから急回復した10年以来の高い水準となった。WSTSによると18年も市場の拡大は続き、17年比で7.0%増の4372億ドルを見込む。

 製品別では半導体メモリーが著しい伸びを示し、16年比で60.1%増の1229億ドルだった。CPU(中央演算処理装置)などのロジック半導体は同10.8%増の1014億ドルだった。メモリーがロジックを上回るのは初めて。

 動画配信サービスの普及で動画を送信する側のデータセンター、受信する側のスマホやテレビ関連機器で大容量メモリーの需要が高まった。データを蓄積・処理するデータセンター用の半導体も好調が続く。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」機器向けの半導体、電気自動車(EV)や自動運転技術の進展によって車載向けの半導体も伸びる見通しだ。

 WSTSには世界の半導体メーカー43社が加盟しており、毎年春と秋に世界市場の市場と将来見通しを発表している。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23986270Y7A121C1X12000/