三菱電機やNEC、日本IBMなど6社は6日、あらゆるモノがネットにつながるIoTを活用して工場などの生産現場の機械やシステムをつなぐ基盤を策定・普及させるための協会を設立すると発表した。IoT活用の潮流はものづくりの現場に押し寄せている。各社の得意分野を生かして、世界での競争に臨む。

 11月29日に「Edgecross(エッジクロス)コンソーシアム」を設立する。策定するソフトウエアプラットフォームは、工場にある様々な機械や機器をIoTでつなぎ、データを一元管理して稼働状況を把握。生産性の向上や故障を事前に検知する予防保全などに役立てられる。

 すでに約50社の賛同企業が集まっており、2018年春の市場投入を予定する。工場の自動化に強い三菱電機やオムロン、NECのIoT技術、日本IBMのAI(人工知能)や日本オラクルのクラウドサービス、産業用パソコンのアドバンテックなど各社の強みを組み合わせる。三菱電機の宮田芳和常務執行役は「グローバルな製造業のIoT化に対応するには、企業・産業の競合の枠を超える必要がある」と話し、「日本発のオープンなプラットフォームを展開する」狙いだ。

 すでに世界では「インダストリー4.0」を提唱するドイツのシーメンスや米国のゼネラル・エレクトリック(GE)などがIoT基盤作りに取り組んでいる。日本でもファナックが10月、工場内の様々な生産設備をつなげてデータを収集・分析する「フィールドシステム」の国内運用を始めた。「今はIoTに関わる黎明(れいめい)期」(オムロンの宮永裕執行役員副社長)だけに、国内外で覇権を巡る競争が激しくなっている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23146950W7A101C1000000/