米マイクロソフト(MS)はスマートフォン(スマホ)向け基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・モバイル」の次世代版やそれを搭載した端末の開発を縮小する方針を明らかにした。MSの端末はシェアが落ち、同社のスマホOS向けにソフトを開発する企業が減った結果、開発投資を続けるのが難しくなった。

 今後は他社端末で幅広く使えるアプリやブラウザの開発に集中していく。不具合の修正やソフト更新による脆弱性の修正などの顧客サポートは続ける。

 MSは2014年のサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)の就任後から、徐々に勝算の薄いスマホ端末関連事業を縮小してきた。米調査会社IDCによれば、MSのスマホOSの世界シェアは0.1%まで落ち込んでいる。

 MSのジョー・ベルフィオーレ副社長がこのほどツイッターで、利用者数が少なすぎるためスマホOS向けソフト開発が停滞していることを認め、「スマホOSの新機能開発や端末は優先課題ではない」と明らかにした。

 業務用パソコン向けOSやサービスでは依然として強みを持つMSは、パソコンとスマホなど他の携帯端末との連携性を高めたOSやブラウザの開発を強化。アップルに近い操作感を打ち出し、端末メーカーを超えた形で提案することで違いを打ちだしている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22051410Q7A011C1TJ1000/