大手鉄鋼メーカーの「神戸製鋼所」は自動車や航空機などに幅広く使われるアルミ製品や銅製品の一部について、強度などの検査証明書のデータを改ざんして出荷していたことを明らかにしました。製品の納入先はおよそ200社に上るとしています。

発表によりますと、神戸製鋼ではことし8月末までの1年間に出荷したアルミ製品や銅製品の一部で、事前に顧客と取り交わした強度などの基準を満たしていないにもかかわらず、検査証明書のデータを書き換えて出荷したり、必要な回数の検査を行わずに出荷したりしていたということです。

データの改ざんは、栃木県と三重県、それに山口県にある銅やアルミ製品の製造を行う国内すべての工場と、子会社の神奈川県の工場の合わせて4か所で確認され、アルミ製品がおよそ1万9300トン、銅製品がおよそ2200トンに上るなどとしています。

これらの製品は自動車や航空機などの部品として幅広く使われており、納入先は、およそ200社に上るということです。
また、こうした改ざんは少なくとも10年ほど前から行われていたことがわかっているということです。

会社側は事態は重大だとして、「品質問題調査委員会」を設置して詳しい調査を始めていて、調査結果がまとまった段階で、経営責任を含めた社内処分を検討するとしています。

一方、これまでのところ、出荷した製品の安全性に具体的な問題は確認されていないとしています。

東京都内で記者会見した神戸製鋼の梅原尚人副社長は「重大事案を生じさせたことを深く反省するとともに、多大なご心配とご迷惑をおかけし、心よりおわび申し上げます」と陳謝しました。
改ざん確認された4つの工場
神戸製鋼所によりますと、検査証明書のデータの改ざんが確認されたのは、栃木県真岡市の真岡製造所、三重県いなべ市の大安工場、山口県下関市の長府製造所の3つの工場のほか、子会社「コベルコマテリアル銅管」の神奈川県秦野市にある秦野工場の合わせて4工場です。
去年はグループ会社がデータ改ざん
神戸製鋼では去年6月、グループ会社が家電などのバネとして使われるステンレス製の製品のデータを改ざんし、JIS=日本工業規格の強度を満たしているように偽装して出荷していたことが明らかになったばかりです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171008/k10011172011000.html