東芝は6日午前に取締役会を開き、半導体メモリー子会社「東芝メモリ」の売却先について協議した。協業先の米ウエスタンデジタル(WD)陣営への売却に向けて協議を続けたが結論は持ち越された。WDは買収当初の資金拠出を見送る考えを東芝に伝えており、同陣営の新たな買収提案を中心に協議したもよう。東芝は早期売却に向けた詰めの交渉を続ける。

 WD陣営の新たな買収提案は、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)と産業革新機構、日本政策投資銀行の3社が中心となる。買収時点で東芝メモリと競合するWDが資金を出さないことで独占禁止法の審査を通りやすくする狙いだ。

 ただWDは将来の議決権獲得を諦めていないもようで、WDの出資比率の上限を巡って調整が続く。さらに東芝とWDで合弁契約を結ぶ四日市工場(三重県四日市市)の設備投資などについても具体的な協議を進めて合意点を見いだす。

 東芝は交渉過程でWD陣営に絞り込まずに、米投資ファンドのベインキャピタルが率いる日米韓連合や台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の提案も引き続き精査している。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ06H9P_W7A900C1EAF000/