業績不振が続き、ソニーから独立したパソコンメーカーの「VAIO」は、海外事業の拡大に向けて、中国最大手のインターネット通販会社と提携して、3年前に撤退した中国市場に改めて参入することを正式に発表しました。
パソコンメーカーのVAIOはソニーが売却したパソコン事業が母体で、生産コストの見直しを進める一方、法人向けの製品を強化するなどした結果、発足から2年目の去年6月期の決算で営業利益が黒字に転換し、事業の拡大を目指しています。

VAIOは1日、今後の事業方針を発表し、インターネット通販の売り上げで中国最大手の「JD.COM」と提携して、3年ぶりに中国市場に参入することを正式に発表しました。

中国のパソコン市場は日本の2倍程度の規模があるということで、「JD.COM」のサイトを通じて主に個人向けに高価格帯のパソコンを販売し、膨大な販売データを持つ「JD.COM」の助言も基に、機能や価格の面で品ぞろえを強化していく方針です。

さらに、VAIOは新規事業として仮想の世界を現実のように体験できる技術のVR=バーチャルリアリティーの分野に参入することも正式に発表しました。VRは医療や産業、ゲームなど幅広い分野で利用が広がっていて、VAIOはベンチャー企業と提携して、システムの開発やメンテナンスを新たな収益源にしたい考えです。

会見で吉田秀俊社長は中国市場への参入について、「まず、高機能の高価格帯の製品から投入していく。すぐに数字を追うのではなく、長期的な戦略で過去に築いたVAIOの地位を取り返したい」と述べました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170801/k10011083441000.html