仮想通貨の根幹となるブロックチェーン(分散型デジタル台帳)技術の一つである「イーサリアム」の活用に共同で取り組む企業連合「エンタープライズ・イーサリアム・アライアンス(EEA)」の新たなメンバーとして、トヨタ自動車や独医薬品メーカーのメルク、米ステート・ストリートなどが加わった。

  米銀JPモルガン・チェースやマイクロソフト、IBM、英メジャー(国際石油資本)BP、オランダのINGグループが既に参加しているEEAは、イーサリアムのブロックチェーン技術を利用し、金融取引の迅速化やサプライチェーンの効率確保によるコスト削減が可能かどうか共同研究する目的で発足した。ビットコインよりもはるかに複雑な活動に応用できると期待されるイーサリアムのブロックチェーン技術には、金融からヘルスケアまで多くの業界が関心を寄せており、トヨタは、自動運転車の開発や他の用途に役立てる研究を行う。

  トヨタが人工知能(AI)研究・開発拠点として米国で設立したトヨタ・リサーチ・インスティテュートのクリス・バリンジャー最高財務責任者(CFO)は発表資料で、「この技術の導入とトヨタの顧客の潜在的な利益を加速させるため、業界標準・ツールの推進でEEAとそのメンバーを後押しする」と表明した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-05-22/OQC91M6KLVRO01