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2017/05/18(木) 22:05:22.55ID:CAP_USER重見吉徳JPモルガン・アセット・マネジメント グローバル・マーケット・ストラテジスト
[東京 18日] - 資本市場は「お祭り」状態である。米国株式市場は「ロシアゲート」が嫌気されて大幅下落となったものの、
それでも米ダウ平均株価は2万0600ドルの高値である。米S&P500指数の景気循環調整済み株価収益率(CAPE)は依然として30倍に近く、
「恐怖指数」と呼ばれるVIXは24年来の低水準付近にある。
上値余地が限られ、期待リターンが極限近くまで小さくなり、同時に、国内政治や通商・外交政策、地政学、拡大終盤の景気循環や信用サイクルといった
不確実性の高まりがあるにもかかわらず、投資家は以前よりもリスクテークの勢いを強めており、「チキンレース」の様相だ。
むしろ、投資のポジション1単位から得られる期待リターンが小さくなっているからこそ
、絶対的な期待リターンを引き上げるためにレバレッジをかける(資金借り入れによって、投資ポジションを増やす)可能性も考えられる。
この向こう見ずの過剰なリスクテーク、すなわち資本市場の「ブーム」の背景は何だろうか。主要な背景は、中央銀行が提供する過剰流動性と低金利政策だろう。
ただ、筆者は別の背景も、今後のさらなる過剰なリスクテークにつながる恐れがあると考えている。それを探すのは常に簡単だ。
他のブームを探せば良い。それは、インデックスファンドや上場投資信託(ETF)などのパッシブ運用である。
ETFが世界的なブームになる一方、ミューチュアルファンド(いわゆる投資信託)は退潮だ。
米国投資信託協会(ICI)の公表データに基づけば、2015年1月から17年3月までの27カ月間において、
ETFは累積で6488億ドルの資金純流入、ミューチュアルファンドは累積で2747億ドルの資金純流出である。今年1―3月こそ、
両者そろって純流入だが、昨年までは、ミューチュアルファンドは純流出、ETFは純流入になる月が多く、
ミューチュアルファンドからETFへの「入れ替え」が進んでいる。
この入れ替えの背景には、特に最近の資本市場において、「多くのアクティブファンドやヘッジファンドが市場(ベンチマーク指数)や
インデックスファンドに勝つことができていない」というデータや、そうした情報伝達があるだろう。
「誰もが他者に継続的に勝つことはできない」という効率的市場仮説に基づく実証研究は、
シカゴ大学のユージン・ファーマ教授が1970年に発表したサーベイ論文(Fama 1970)をその中核として、長期の学術的蓄積がある。
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yoshinori-shigemi-idJPKCN18E07W