世界各地の病院や企業などが大規模なサイバー攻撃を受け業務が妨害される事態が相次いでいて、被害は99の国や地域で合わせて7万5000件以上に上っており、情報セキュリティー会社は、コンピューターのセキュリティーを強化するよう呼びかけています。

チェコに本社がある情報セキュリティー会社「アバスト」は12日、世界各地で病院や企業などが大規模なサイバー攻撃を受け、業務が妨害される事態が相次いでいると発表しました。

サイバー攻撃はコンピューターの基本ソフト「ウィンドウズ」を標的にしていると見られ、ファイルを勝手に暗号化して利用できなくしたうえで、元に戻すために金銭を要求する「身代金要求型」のウイルスが使われています。

ウイルスに感染すると、画面上に仮想通貨「ビットコイン」で300ドル相当の支払いを求めるメッセージが表示され、支払期限を示すタイマーが作動し始めるということです。

アバストによりますと、こうした被害は、12日だけでもロシアやイギリスなど世界の99の国や地域で合わせて7万5000件以上に上っているということです。

このうちイギリスでは、各地の病院のコンピューターが攻撃を受け、診察の予約がキャンセルされたり、救急搬送されてきた患者がほかの病院に搬送されたりする事態が起きています。

アバストは、サイバー攻撃がまだ続く可能性もあるとして、コンピューターのセキュリティーを強化するよう警戒を呼びかけています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170513/k10010980311000.html