HY戦争のさなか、どこのバイク店も大量の在庫をホンダ・ヤマハから押し付けられ喘いでいた。
俺はXJ400ZS(水冷ペケジェーで不人気車種)を当時まだヤマハオートセンターだったバロンに買いに行った。
店長と2時間にわたるバトルの末に、若く血気盛んだった俺は「そこまで言うんなら仕入れ台帳(まだパソコン化されていなかった)を見せてみろよ!」と詰め寄った。
これまた若かったフランチャイズの社長店長は「おう!見せてやるよ!」と言って茶色のキャンバス地で四隅に金属の補強のあるバインダーを出してきた。
「よし!じゃあこの仕入れ値プラス1万なら買うっ!」
「せめて5万くれ!」
「いや、儲けは納車諸費用で取っておけ!」

並んでいる同型の中古車より安かった。
値切りもここまでやると、立派なレジャーだよ。