ミルラの見えざる毒舌に、ファは言葉を失った。ファはついに縦読みに気づいたのだ。
流石のファからも、笑顔は消え失せていた。代わりに湧きあがった感情は、“怒り”であった。
ライバルと思っていたのは自分だけ・・・。裏でミルラは、ファのことをアホと謗っていたのだ。ファは激怒した。
が、ファは言い返さなかった。言えば相手と同じになる・・・。
アルティメットファは王者の称号。王は決して相手を貶めたりはしない。
ほんとうに伝えたい想いは、言葉ではなく拳で語るもの。そう心に誓うと、ファはちょうちょを探すため闘技場を後にした。