MTGの昔の大会決勝の記事読んでたらシャドバじゃあり得ないことの連続で草

一体誰が、この決勝戦の組み合わせを予想しただろうか。一体誰が、こんな結末を想定していただろうか。

 2016年、秋。プレインズウォーカーたちは、『カラデシュ』の世界を訪れた。人々は、そしてプレインズウォーカーたちは、さまざまな「発明」を行い、そしてこのスタンダードの世界の明日を発明ひらいた。

 多くのプレイヤーが、この新たなるスタンダードをこう形容していた。「まるで、モダンのようだ。」

 いわく、「攻めが多角的過ぎる。」 いわく、「やりたいこと押し付けたほうの勝ち。」 いわく、「受けるカードが弱すぎて、全部は受けきれない。」

 そして同じように口を揃えたのは、「この環境、コントロールは無理」。それが、彼らの結論だった。

 一面ではそれも間違っていなかっただろう。
確かに、環境はアグロとコンボ、遅くともミッドレンジまでで埋め尽くされた。《霊気池の驚異》を中心に据えたコンボ系デッキ、機体を中心に据えたアグロ、さまざまなミッドレンジ。

 しかし、コントロールを、全てを受け切る覚悟を捨てなかったプレイヤーが、ごくわずかではあるが存在した。
そして、このプロツアー『カラデシュ』の決勝戦。その席についた2人は、まさにそれを諦めなかった2人だった。

 一人は、日本の八十岡翔太。昨年マジック・プロツアー殿堂入りした八十岡は、大のコントロール・フリークとして知られている。
今回もまたオリジナルのグリクシス・コントロールを組み上げてプロツアーに参戦。
その決意は、彼のTwitterでも語られていた。

 そして今、実際に彼は全てを受け止め、この決勝戦の席に座っている。

 一人は、ブラジルのカルロス・ロマオ/Carlos Romao。2002年、《サイカトグ》全盛期の世界選手権覇者であり、コントロール使いの名手だ。
このプロツアーの前の週のグランプリ・アトランタ2016も優勝し、そして今、2週連続でのトロフィー獲得を目前にしている。
 2人の名手。お互いにコントロールの使い手。そんな彼らの攻防は、ライブラリーに手をかけるその前から始まった。

 先攻か?後攻か?マジックにおいて常に話題になる問いであり、その選択権があることはすなわち「有利」とされている部分だ。
決勝ラウンドに2位で進出した八十岡は、この決勝戦という大一番で、先攻か後攻かを選択する権利がある。その分、少し有利である、といえるのだろう。

 そして、八十岡は宣言する。「後攻」、それが八十岡の選択だった。
http://coverage.mtg-jp.com/ptkld16/article/017840/