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Aメロでもう一つ特筆すべき点があるとすれば最後の「来たものだ」の節回しですね

レレファラミ

一つのセクションが終わる最後のパートにこの動きを持ってこれるセンスが林檎ですよね
多分私がこのAメロの最初のメロディーを奇跡的に思いついたとしてここは

レレミレレ

にしちゃうでしょうね
Dmスケールだし根音のDで、ここのコードはDM7だけど無理はない自然な解決

でも林檎はミで締めるんですよね

林檎は繰り返し「マイナーナインスの音が林檎っぽいと皆さんが仰る」と言ってますが
ここも終わりの音が、解決すべき音がコードの構成音でいうナインスになってます

ナインスだから解決の筈なのに解決してない音にも聞こえますよね
メロディーの印象としては疑問形のようなニュアンスに私には聞こえます

歌詞も「思へば遠くへ来たものだ」と、内省的で物思いに耽っているような
メロディーと歌詞が言葉数以上の次元でよく符合してますよね

最後にミに綺麗に行くためのラなんでしょうね(5度の跳躍は自然に聞こえます)
作為的に、作曲した段階でナインスでラミの節回しに意図的にしたのか
林檎の手癖で自然とこうなったのかは分かりませんが
あー林檎だなあ、と自然と納得させられるフレーズだと思います

この直後にボーカルが浮雲に変わってファから入りますが
女から男、AメロからBメロと切り替わるニュアンスとしても
ミで締めて次を半音上のファから始める、っていうのは曲の進行感、展開感を生み出す起爆剤にもなってると思います