日本維新の会と国民民主党は2日、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海警備を強化する法案を衆院に共同提出した。自衛隊と海上保安庁の役割を法文上明確にし、有事の際の即応性を高める。維新と国民が共同で衆院に法案提出するのは初めて。

 海警法を施行した中国の脅威を念頭に、国民は党安全保障調査会長の前原誠司元外相(衆院京都2区)が法案を取りまとめた。国民の衆院会派は10人と法案提出可能な20人に足りず、水面下で自民党や立憲民主党など他党にも賛同を呼び掛けていた。法案提出後に会見した前原氏は「我々のモットーは批判だけでなく提案、対案。維新が呼応していただき、お互いの考えが共通する部分がある中で提案に至った」と説明した。

 法案は自衛隊法と海上保安庁法の一部を改正する内容。海上保安庁が一義的に対応することを前提とし、同庁の任務に領海警備を加える。自衛隊は後方支援に位置付けつつ、法律に「警戒監視措置」を明記。隊員の生命や身体防護のためやむを得ない場合は武器使用を認める権限を記した。

 立民は領域警備や海上保安体制を強化する法案を別に作成し、提出する予定。

 前原氏は「地域主権」の超党派勉強会を維新の馬場伸幸幹事長らと主宰しており、今国会中に何らかの成果物をまとめるという。会見に同席した馬場氏は領海警備法案について「日本の将来を考えた中でのアクション」と述べ、次期衆院選を巡る動きではないと強調した。

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