日刊サイゾー
じゃまおくんのザオリク的マンガ読み
まるで医療版『北斗の拳』! ハイテンションすぎる医師マンガ『スーパードクターK』
2018.09.12
『スーパードクターK』(講談社)


 今も昔も医療マンガの頂点といえば『ブラック・ジャック』ですが、近年の医療マンガのトレンドは、いかにリアルな医療現場を描くかになってきていますね。『コウノドリ』『ブラックジャックによろしく』『Dr.コトー診療所』『医龍』などなど、ひとたび人気が出れば実写ドラマ化されることが多いのも医療マンガの特徴です。
 しかし、そんなリアル志向やドラマ化トレンドにはまったく背を向けるように、ダークかつハードボイルドでバイオレント、まるで『北斗の拳』と『ブラック・ジャック』を足して2で割ったような世界観の医療マンガが存在します。
その名も『スーパードクターK』。これほどまでにスーパーなドクターが出てくる作品は後にも先にも存在しないといえる、レジェンド医療マンガです。

 本作は1988年から1996年まで、「週刊少年マガジン」(講談社)で連載されていました。単行本は44巻まで出ており、さらに続編として『Doctor K』や現在も連載中の『K2』というタイトルもあるほど、息の長いシリーズですが、その人気の秘密は、いろんな意味で医師マンガの常識を覆したブッ飛び設定にあるといえます。

■ケンシロウ✕ブラック・ジャックな主人公「K」

 主人公「K」こと「KAZUYA(カズヤ)」は、医師のくせに本名が不明。ビジュアル系バンドのメンバーのような名乗りも斬新ですが、ケンシロウのような肉体と、ブラック・ジャックの持つダークさを掛け合わせたような雰囲気を持っており、まさにマンガ界における夢のコラボといえます。
 Kのキャッチフレーズは「野獣の肉体に天才の頭脳、そして神技のメスを持つ男」。メスさばきが神技のドクターが出てくるマンガはほかにもありますが、野獣の肉体まで持ち合わせているドクターは、たぶんほかにいないのではないでしょうか。
実際、オペを邪魔する10〜20人ぐらいの暴漢を1人でブチのめすシーンがあり、物理的な意味でも医学界最強の男といえます。

■出自が闇すぎる

 Kの正体は、作品を追うごとに少しずつ明らかになってくるものの、基本的にはベールに包まれています。本名がわからない時点で医師として十分怪しいんですけど、ファッションがまたすごい。
ロングマントに革パン・革ブーツというハードなスタイルが基本。『北斗の拳』の世界ではこの手のキャラクターは普通ですが、医学界ではかなりの異端児といえます。
 医学の最高権威、帝都大学を首席で卒業。不世出の天才医師と呼ばれながらも、ある日忽然と姿を消したK。以降は決して表舞台には出てくることのない幻のフリーランス医師となるのですが、その理由もまたすごい。
 Kの一族は天才医師の家系ですが、代々伝えられている医療技術がすごすぎて、時の権力者が不老不死にしろとか言ってくるので、汚い人間たちの手から逃れるため、さすらいの旅を続けながら治療しているのです。
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