東京都の小池百合子知事が事実上率いる「都民ファーストの会」と公明党は二十九日、
九月二十日開会予定の都議会定例会に、子どもの受動喫煙を防ぐための条例案を提出すると発表した。
子どものいる家庭や学校周辺で受動喫煙の防止努力を求め、子どもが同乗する自動車内では喫煙を禁止する。
いずれも罰則はない。
両会派で過半数を占めており、成立する見通し。

家庭や車内など私的な領域での喫煙制限に踏み込んでおり、議論を呼ぶ可能性がある。

記者会見した都民ファの都議は
「健康被害につながる受動喫煙は、児童虐待に近いという観点で啓発に取り組む」と強調。
罰則を設けず努力義務としたことについて、公明の都議は「意識を変えていくのが重要だ」と述べた。
また、国との調整に時間がかかることも挙げている。

素案は十三条で構成し、燃焼性の紙たばこだけでなく、加熱式たばこも対象。
学校や小児科医院の周辺、公園などで「子どもの受動喫煙防止に努めなければならない」と規定している。

両会派は九月上旬から、医療や教育、たばこ産業の関係者らを対象にヒアリングを開始。
都民からも意見を募り、条例案に反映させたいとしている。
国際オリンピック委員会(IOC)などは「たばこのない五輪」を進めており、
二〇二〇年東京五輪・パラリンピックを前に七月の都議選でも争点の一つとなった。

以下ソース:東京新聞 2017年8月30日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201708/CK2017083002000117.html