「電気をつけろ」「何かいるぞ」。富山湾に仕掛けられた定置網に23日の夜明け前、珍客が訪れた。目算で全長約2メートル。1匹のイルカで、「5、6年に一度」という珍事に船上の漁師が驚きの声を上げた。

イルカが入ったのは、滑川漁港(富山県滑川市)から沖合約1.5キロにあるホタルイカ漁の定置網。網が海面近くに引き揚げられると、逃れようとバタバタと必死にもがき、最後は漁師の助けもあって自由の身に。

富山湾のイルカに詳しい富山市科学博物館の南部久男専門官によると、引っ掛かったのはカマイルカとみられる。「カマイルカは3〜5月にかけ、北上途上に富山湾にやって来る。群れでイカなどのエサを探しているうちに、1匹が迷い込んだのだろう」と話している。

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