NTT発行の紙の電話帳をもとに、氏名や住所、電話番号を無料電話帳サイトに掲載されたのはプライバシーの侵害だとして、京都市の男性がサイト運営者に個人情報の削除と50万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、京都地裁であった。伊藤由紀子裁判長はプライバシー侵害を認め、男性の個人情報の削除と5万円の損害賠償の支払いを命じた。

 サイトは神奈川県の男性が運営する「ネットの電話帳」。裁判ではネットに掲載された原告男性の氏名や住所、電話番号、郵便番号がプライバシー情報にあたるか否かが争点となった。判決は「個人の私生活上の事実、情報であり、他人に知られることで私生活上の平穏を害するような情報だといえる」とプライバシー情報と認め、法的保護の対象となるとした。

 サイト運営者側は、これらの情報は紙媒体の「ハローページ」にも掲載され、プライバシーにはあたらないと主張した。だが、判決は、ネットに掲載された情報のコピーは極めて容易であると指摘。ネット上に情報が公開されると、いつまでも閲覧可能になるとし、「ハローページへの掲載を承諾しても、ネット上の公開まで承諾したとはいえない」とした。


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