江戸時代の蘭学者で小浜藩の藩医だった杉田玄白(1733〜1817年)の没後200年にあたり、県ふるさと文学館(福井県福井市下馬町)で夏季企画展「医と文学〜杉田玄白からかこさとし、山崎光夫まで〜」が始まった。9月18日まで。
 玄白の文学者としての側面に光を当てているほか、体や健康、医療をテーマに文学作品を書いた越前市出身(旧国高村)の絵本作家のかこさとしさんや福井市出身の作家、山崎光夫さんを取り上げ、現代人の生活や生き方を振り返る。
 玄白の展示資料は28点。オランダ語で書かれた解剖書を翻訳し「解体新書」を刊行した玄白が、翻訳への情熱や苦労を語った「蘭学事始」、亡くなる年に書かれた自筆の「医事不如自然」(人間による医事は自然に及ばない)、医師仲間からの相談に答えた自筆書簡がある。尾崎秀甫学芸員は「解体新書を翻訳しただけでなく、当時の社会のさまざまな事柄をみながら行動して後世に伝えるために筆を執ったことを知ってほしい」と話した。
 かこさんの虫歯になる仕組みを物語にした絵本「むしばミュータンスのぼうけん」などの複製原画や資料52点、山崎さんが芥川龍之介の死の真相を追究した「藪の中の家」の自筆原稿など37点がある。
 観覧無料。18日、8月24日、9月4、11日は休館。

以下ソース:http://www.sankei.com/region/news/170717/rgn1707170044-n1.html(産経ニュース)