松本・西堀公園近くのイタリア料理と総菜の店「cucina(クチーナ)にし村」(松本市大手2)で現在、
画家・野村剛さんの個展「葡萄(ぶどう)」が開催されている。

8色の色粘土を混ぜ、さまざまな色を表現する野村さん。
地元・塩尻のブドウ畑を描いた2点と、同展のために制作した6点を展示する。
新作は、同店で提供するワインの一つで山梨・万力にあるワイン醸造所のブドウや畑。
昨夏、野村さんが畑を訪れ、作業を手伝いながら写真を撮影。

「葡萄畑1」は消毒する様子を、少し離れた場所から眺めるように描いている。
「1人で戦っているような姿の中に厳しさを感じた。どうしてもこれを表現したいと思った」。
「葡萄畑2」は畑に無造作に置かれた黄色いホースなど、少し明るめの色合いに。
「どこにでもあるブドウ畑ではなく、この畑で、このブドウを作っている造り手の思いを込めた」と振り返る。

同店での展示は初めて。
同店を営む西村祐介さん・みどりさん夫妻が野村さんを知ったのは、3年ほど前。
みどりさんが購入した、野村さんのおきあがりこぼしが飾られていることを知り、野村さんがお礼を兼ねて同店を訪れた。

「別々の場所で展示していたおきあがりこぼしを、セットにして置いてくれていたのがうれしかった。
 並べてくれればいいなと思っていたので」(野村さん)。

「野村さんがブドウ畑の絵を描いているのは知らなったが、『ブドウ畑の絵があったら店に飾りたい』と思っていた」(みどりさん)。

野村さんが、西村さん夫妻と共に同醸造所を訪れたのは、2014年8月。
ブドウに対する情熱に圧倒され、「じっくり時間をかけて、信頼関係を築いた上で描きたい」とその後も何度も足を運び、
お互いのことを話したり、作業を手伝ったりしながら交流を深めてきた。

当初は、店全体を畑のような雰囲気にする案もあったというが、自然と作品のみのシンプルな構成に。
「皆、日々試行錯誤しながら自分の仕事と向き合っている。
 全員の気持ちが同じ方向を向いているような感覚があって、全員でつくり上げた空間になったと思う」と野村さん。

「このような展示ができて感無量。期間中は展示に合わせたワインと料理を用意するので足を運んでもらえれば」と祐介さん。

作品は全て販売する。
絵画=2万8,000円〜。
営業時間は、11時30分〜14時、15時〜17時(ギャラリー営業のみ)、17時30分〜21時30分。
月曜・第3火曜定休(3月20日は営業)。
3月26日まで。

クチーナにし村
http://cucinishi.exblog.jp/

以下ソース:松本経済新聞
http://matsumoto.keizai.biz/headline/2317/