4月9日
昼寝をしすぎたせいか、なかなか寝付けないでいると外が騒がしい。
広場で、皆が真剣な様子で話し合っている。
なんでも、子供が大変な高熱で苦しんでいるのだと言う。
それも一人ではない。全員が、である。

母親達は、汲んできたばかりの水で子供達の体を冷やしているが、いっこうに熱は下がらない。
明け方、全員が息を引き取った。
朝になり、村長が油田へと出かけた。
皆、子供たちの死が、昨日の予防接種と関係あるのではないかと思っていた。

戻ってきた村長は、子供たちの死は伝染病の初期段階かも知れないので、もう一度予防接種を受けることになったと皆に告げた。
俺は今回も拒否したが、伝染病にかかれば村の一大事だ。皆に無理やり連れて行かれ、予防接種を受けさせられた。