2021/02/20
要警戒!「西日本大震災」…台湾の地震が引き金になる可能性
https://weekly-jitsuwa.jp/archives/12001
2月13日午後11時8分ごろ、福島県沖を震源とするM(マグニチュード)7.3、最大震度6強の大地震が発生した。
10年前に起きた東日本大震災の余震とされるが、日本と同じように、たびたび起こる大きな地震に警戒を怠らないのが、
日本列島の南西に位置する台湾だ。
「台湾は日本と同じ地震国です。M6クラスがよく発生している。地震の規模の割に被害が少ないのは、
東部の海の中で発生することが多いからです。しかし、1999年に起こった『921大地震』は、台湾中部を震源とするM7.3でした」
(武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏)

「台湾の地震を振り返ると、その前後に日本でも大地震が発生しているんです。現在、フィリピン海プレートが活性化しているので、
日本への影響が心配ですね。台湾の地震は日本のタイプと全く同じ。言ってみれば、兄弟分のようなものです」(島村氏)
日本で発生する大地震は台湾の後か先か≠ニ言われれば、圧倒的に後が多いそうだ。両者の関係は地震学では証明されていないが、
何らかの関連性があるに違いない。

では、最近の日本と台湾における地震を具体的に見てみよう。
まず、1994年9月に台湾海峡(M6.8)で発生した地震の4カ月後には阪神・淡路大震災(1995年1月17日)が起きている。
5年前の2016年2月に起きた台湾南部地震(M6.6)では、2カ月後に熊本地震(2016年4月14日)が急襲。
さらに、2018年2月に花蓮地震(M6.4)の際は、4カ月後に大阪府北部地震(2018年6月18日)など、
台湾と日本の地震は少なからず連鎖しているのである。
台湾と“同日”に大地震が発生しても不思議ではない
こうして比較すると、昨年末から台湾で頻発する地震が非常に気になる。
昨年12月10日午後9時台から11日午前2時台にかけて、台湾東部の海域を震源とする地震が相次いだ。
いずれも、10日午後9時19分ごろに同海域で発生したM6.7の地震(最大震度4、震源の深さ77キロメートル)の余震とみられている。
地震の規模の割に揺れが小さかったのは、震源が深かったためだ。
そして2月7日、台湾東部の海域でM6.1、震源の深さ112キロメートル、9日には同付近を震源とするM4.5、M5.5の地震が立て続けに
起きているのだから不気味だ。
「フィリピン海プレート西縁には琉球海溝が南西諸島の東方に分布し、台湾にまで延びている。そして、琉球海溝の北東端は南海トラフ
につながっているのです。こうした海域での異変は、南海トラフ地震につながる恐れがあり、非常に心配ですね」(島村氏)
実は、1966年3月13日、台湾花蓮沖でM7.5の大地震が発生すると、同日、沖縄・与那国島近海でもM7.3の地震があり、
死者2人を出ているのだ。考えてみれば、台湾と与那国島は琉球海溝でつながっているのだから、同日に大地震が発生しても不思議ではない。
直近の南海トラフ地震を見ても、台湾地震とリンクしていることが分かる。
1946年12月5日、台南新化地震(M6.1)が発生すると、16日後の同年12月21日、昭和南海地震(M8.0)が起こり、
死者・行方不明者1300人以上を出す大惨事となった。ちなみに、台南新化地震の2年前には昭和東南海地震(M7.9)が起きている。

北関東で発生する地震には、主に茨城県北部を中心に起きている地震のように震源の深さが約10キロメートルと浅い地点で発生するタイプと、
茨城県南部などで発生する震源が60キロメートル前後の深い地点で起きる2つのパターンがある。
「茨城南部で発生する地震は首都直下地震を引き起こしやすい。こうした地震は太平洋プレートとフィリピン海プレートが衝突する地点で
発生しており、首都直下地震の場所ともつながっているのです」(サイエンスライター)