子どもが新型コロナに感染しにくいのも「歯周病」がないから

 伊藤名誉教授によると、主な原因は歯周病菌が出す毒素や酵素、さらに歯周病による歯ぐきの
炎症が関係しているという。

 「歯周病菌はプロテアーゼという酵素を出しますが、これが粘膜を傷つけてウイルスを侵入
しやすくしています。また、歯周病で歯ぐきに慢性的な炎症が起きていると炎症物質(IL-6)が
産生され、ウイルスによる感染を促進するのです」(伊藤名誉教授)

 子どもが新型コロナウイルスに感染しにくく軽症や無症状ですむのも、子どもには歯周病が
ほとんどないことが理由のひとつだという。

 日本では、歯周病は20歳代で約7割、30〜50歳代は約8割、60歳代は約9割がかかっていると
される「国民病」だ。世界で最も多い感染症としてギネスブックにも登録されているほどで、
世界中で流行を繰り返すインフルエンザ患者数よりも多いとされている。

 新型コロナもインフルエンザも歯周病が原因で感染しやすく重症化しやすいなら、口の中を
清潔にして歯周病治療や予防をすれば、インフルエンザや新型コロナ感染症予防にもなるわけだ。

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