二階の部屋の網戸が少しずつ開いていて、誰が開けたのかと訝しく思いながら網戸を
閉めていた、二三日このようなことがあった後、大きく網戸が開いていて、床に乾燥したセミ
が落ちていた、誰の仕業か、と思いつつやり過ごしていたが、翌日、庭を散歩して二階の
窓を見たら、カラスがクチバシで網戸を開けていた。いつも電柱のテッペンで、ガーガーと鳴く
あのカラスであった、カラスは何が言いたかったのかな、食べるものが無い、とでも言いたかった
のかな、それ以来、姿を見せなくなった。