物質を構成する素粒子の1つ「ニュートリノ」と、その対になる「反ニュートリノ」の間には、これまで確認されていない性質の違いがある可能性が高いことが、日本が中心となる国際研究グループの実験で分かりました。専門家は「さらに検証が必要だが、宇宙の成り立ちの解明につながるかもしれない」としています。

物質を構成する素粒子の1つ、ニュートリノには、粒子の回転が反対向きで、鏡に映したように対となる反物質、反ニュートリノがありますが、現在の宇宙には物質だけが存在することから、それぞれの間に、これまで確認されていない性質の違いがあるのではないかと予測され、日本が中心となった国際的な研究グループが実験を行っています。

実験は、ニュートリノと反ニュートリノを茨城県にある実験施設からおよそ300キロ離れた岐阜県にある実験施設「スーパーカミオカンデ」に発射し、「ニュートリノ振動」と呼ばれる現象を観測しました。

その途中結果をまとめたところ、「ニュートリノ振動」という現象を起こしたのは、ニュートリノは90個に対して反ニュートリノでは15個で、性質に違いがある可能性が高いことが分かったということです。

素粒子物理学が専門の東京大学の浅井祥仁教授は「まだ断定はできず、さらにデータを集めて検証が必要だが、宇宙の成り立ちの解明につながるかもしれない」と話しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200504/K10012416861_2005041107_2005041117_01_02.jpg

NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200504/k10012416861000.html