→コロナ19のスパイクに結合するタンパク質薬が発見された
→オルガノイドを使わなければ有効性を見逃していたかもしれない

これまでの研究で、新型コロナウイルス(以下コロナ19)がどのような仕組みで人間の細胞に感染するのかがわかってきました。
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コロナ19は人間の細胞表面に存在するアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)と呼ばれるタンパク質を認識して結合することで、感染を開始していたのです。

そこでスウェーデンの研究者は、コロナ19が人間のACE2に結合する前に、偽のACE2(hrsACE2)をばらまく治療法を考え出しました。

コロナ19がデコイとなった「偽のACE2」に吸着してくれれば、人間の細胞へ吸着しなくなり、感染を劇的に減らせると考えたからです。

果たして人間はコロナ19を騙すことができたのでしょうか?

研究結果はカロリンスカ研究所のバネッサ・モンテイル氏らによってまとめられ、4月2日に生物学分野において権威ある学術雑誌「Cell」に掲載されました。

Inhibition of SARS-CoV-2 infections in engineered human tissues using clinical-grade soluble human ACE2
https://www.cell.com/pb-assets/products/coronavirus/CELL_CELL-D-20-00739.pdf

■コロナ19を防ぐ仕組み

近年の研究により、コロナ19は表面から突出した「スパイク」と呼ばれる部分を使って、人間の細胞のACE2に結合することが知られています。
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コロナ19の感染を防ぐには、このスパイク部分を破壊するか、何かで覆って人間のACE2に結合できなくしてしまえばいいのです。

今回、モンテイル氏らが選んだ戦略はこの後者に含まれます。

モンテイル氏らは人工の水によく溶ける偽のACE2をばらまくことでコロナ19を騙し、スパイク部分を覆ってしまえないだろうか、と考えました。

スパイク部分が図のように偽ACE2によって覆われてしまえば、コロナ19はもう人間のACE2に結合することはできないからです。

続きはソースで

https://nazology.net/archives/55717