2019/03/27
日本人の「教育改革論」がいつも的外れなワケ
課題は「子ども」ではなく「社員教育」にある
https://toyokeizai.net/articles/-/273079
それは私自身、日本の教育制度が日本経済の衰退の主因であるという考えには、疑問を持っているからです。
理由は2つあります。1つは、そもそも言われるほど日本の教育が悪いのか、悪者に見えるだけではないのかという疑問です。
もう1つは、そもそも日本の教育の問題点は、子どもの教育ではなく成人の教育にあるのではないか。
要するに、人生100年時代の日本で、教育の対象が間違えて議論されているのではないかという疑問です。
前回も紹介したように、社員教育と生産性との間には、極めて強い相関関係が認められます。

とくに、大学は青年だけのものではなく、成人した人が何度も通学する時期があるように改革する必要があります。
先日、オックスフォード大学に通っている学生のうち、すでに1回大学を卒業している再就学者の比率が50%を超えたと聞き、びっくりしました。
何度も繰り返し述べているように、日本は人口減少と高齢化が世界一進む国です。この大変な状況を乗り越えるには、
日本は世界一の「社員教育大国」にならなくてはいけないのです。

4/05
日本人の議論は「のんき」すぎてお話にならない
危機感をもって「本質」を徹底的に追求せよ
https://toyokeizai.net/articles/-/275028
のんきな「教育」の議論
教育についての議論も、実にのんきです。教育の対象を子どもから社会人に大胆に変更しなくてはいけないのに、日本の大学はいまだに、
毎年数が少なくなる子どもの奪い合いに熱中しています。
教育の無償化に関しても同様の印象を感じます。「子どもを育てるコストが高い。だから子どもを産まない、つまり少子化が進んでしまって
いる。ならば、教育のコストを無償にすれば、少子化は止められる」。おそらくこんなことを考えて、教育の無償化に突き進んでいるのでしょう。
確かに、この理屈はもっともらしく聞こえなくもありません。
しかし、これは小手先の対症療法的な政策にすぎません。教育のコストが高いのが問題だから、無償化するという考え方も可能ではあります
が、そもそもなぜ教育のコストを高いと感じる人が多いのか。その原因を考えれば、「収入が足りていない」という根本的な原因を探り出すこと
ができます。
教育の無償化と、国民の収入アップ。どちらを先に進めるべきか、答えは収入アップに決まっています。要するに、少子化問題の本質は
教育費にあるのか、親の収入が足りないのかを、きちんと見極める必要があるのです。
事実、日本人の給料は、同程度の生産性を上げている他の先進国の7割程度です(購買力調整済み)。なおかつ長年、若い人を中心に
減少の一途をたどっています。問題の本質は教育費ではなく、給料なのです。
先進国の中では、少子化と生産性との間にかなり強い相関関係があるという研究があります。生産性が低く少子化が進んでいる複数の国で、
教育費の補助を出しても思い通りには出生率が上がらなかったという興味深い事実もあります。
ですから、教育費を無償にしても本質的な対処にはなりませんし、税金か借金でまかなうしかないので、結局経済に悪影響を及ぼすのです。

6/26
日本人はなぜ「論理思考が壊滅的に苦手」なのか
「出口治明×デービッド・アトキンソン」対談
https:
//toyokeizai.net/articles/-/288272