11/17(日) 15:22配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191117-00000020-jij_afp-sctch

【AFP=時事】オーストラリアにある世界最大のサンゴ礁、グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)で、サンゴの一斉産卵が始まった。今年の産卵は近年最大規模のものとなる可能性がある。現地の海洋生物学者らが17日、明らかにした。

【写真】一斉産卵中のサンゴ豪
グレートバリアリーフのムーアリーフにあるサンラバー海洋基地で見られたサンゴの産卵(2019年11月16日撮影、17日公開)
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 気候変動による海水温度の上昇とサンゴの白化現象に悩まされているグレートバリアリーフは、年に1度の卵と精子の大量放出で熱狂に包まれている。卵と精子の放出は、授精の可能性を高めるために同期している。

 豪ケアンズ(Cairns)を拠点とする観光業者サンラバー・リーフ・クルーズ(Sunlover Reef Cruises)の海洋生物学者、パブロ・コゴリョス(Pablo Cogollos)氏は、「(放出された)卵と精子の量は、昨年の3倍だった。満月の後、軟質サンゴ(ソフトコーラル)が4日にわたって産卵したが、過去5年間で最大のサンゴの産卵だとみられている」と語った。

 水中の花火、または吹雪にたとえられるサンゴの産卵は、海水温度が27度から28度前後の満月の後という特別な条件下で年に1度だけ行われる。

 ソフトコーラルがまず放卵し、硬質サンゴ(ハードコーラル)が後に続く。産卵は通常48時から72時間にわたる。

 2300キロにわたるグレートバリアリーフの広大な地域では、サンゴが気候変動に関連する海水温度の上昇によって死滅し、白化現象によって骨格が白く透けて見える死骸が残されてきた。

 昨年には、産卵期に卵と精子を採取して幼生を育て、グレートバリアリーフの深刻な被害を受けたエリアを再生するプロジェクトが立ち上げられている。【翻訳編集】 AFPBB News