「野生絶滅」にクニマス ゲンゴロウブナなど淡水魚25種が絶滅危惧に
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2019/7/18(木) 21:49配信
YAHOO!JAPAN NEWS,毎日新聞
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(写真)「野生絶滅」に分類されたクニマス=秋田県仙北市で2017年6月14日、山本康介撮影
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 絶滅や絶滅の恐れのある生物種を国際自然保護連合(IUCN、本部・スイス)が評価するレッドリストの最新版が18日、公表された。2010年に山梨県で生息が確認されたクニマスが「野生絶滅」に分類されたほか、ゲンゴロウブナなど国内に生息する淡水魚25種が新たに絶滅危惧種に指定された。

 クニマスは秋田県・田沢湖の固有種で絶滅したとされたが、山梨県・西湖で約70年ぶりに確認。田沢湖から移された卵が元になって繁殖したと考えられている。IUCNは今回、水族館など人が介在することでしか生存しない「野生絶滅」と判断した。環境省も13年に「野生絶滅」と評価している。

 さらに、タンゴスジシマドジョウやウラウチイソハゼなどを新たに絶滅の危険性が最も高い「絶滅危惧TA類」に分類。ホンモロコやビワヨシノボリなどを次にリスクの高い「絶滅危惧TB類」と評価した。IUCNは「日本の固有淡水魚の多くが絶滅の危機にある。河川の汚染やダム建設などが大きな影響を与え、外来種による捕食が拍車をかけている」と指摘する。

 複数の深海生物も新たに絶滅危惧種に指定された。インド洋の深海底に生息する巻き貝「スケーリーフット」を「TB類」に分類。この貝は鉄分を取り込み「硫化鉄のウロコをまとう生物」として知られ、熱水が噴き出す海底でしか生息が確認されていない。このような海域では海底資源の採掘が計画されており、IUCNは「採掘が認められれば生息地が破壊される」と懸念する。【荒木涼子、大場あい】

最終更新:7/18(木) 21:49
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