日本の古典から現代文学まで通じ、世界に日本文学を広めた米コロンビア大学名誉教授で文化勲章受章者のドナルド・キーンさんが24日、死去した。96歳だった。

 1922年、米ニューヨーク生まれ。コロンビア大卒業後、日米開戦にともない、米海軍日本語学校に入学。語学将校としてハワイや沖縄で従軍し、日本兵の日記の翻訳や捕虜の通訳をした。戦後、ハーバード、ケンブリッジ大で日本文学の研究を続け、50年代に、京都大に留学し、英訳「日本文学選集」を編集。日本文学の海外紹介のきっかけを作った。「徒然草」などの古典や、安部公房、三島由紀夫ら現代作家の作品を英訳し、日本人の精神を浮かび上がらせた。

 長く日米を行き来していたが、2011年の東日本大震災後、日本への永住を決めて日本国籍を取得。講演などで被災地を励ました。近年は『正岡子規』『石川啄木』の評伝を出していた。


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朝日新聞デジタル
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