原発事故の影響で回数や海域を限定した試験的な漁が続けられている福島県沖で、震災前に比べてヒラメがおよそ8倍、ナメタガレイがおよそ7倍に増えていることが県の調査でわかりました。

県は豊富な資源を漁業の復興につなげるため、検査を継続し、販路の回復を支援することにしています。

福島県は、沖合の10か所で月に1回、調査船による資源量の調査を行い捕獲された魚介類の面積あたりの重さ「重量密度」を算出しています。

それによりますと、去年1年間の平均は、震災前の5年間の平均と比べてヒラメがおよそ8倍、ナメタガレイがおよそ7倍と大幅に増えていたことがわかりました。

体長もヒラメの場合、震災前は40センチ前後がもっとも多かったのに対し、おととしのデータでは50センチから60センチが多く大型化しているということです。

福島県沖では、原発事故の影響で回数や海域を限定した試験的な漁が行われていて、水揚げ量が去年でも震災前の13%ほどにとどまっていることが原因と見られています。

県の水産資源研究所の松本陽副主任研究員は、「予想以上に資源量が大きく増加している。ただ、一気に取れば当然資源が減ることが想定されるので、価格を落とさずに持続的に漁獲できる取り方を提案していきたい」と話しています。

福島県沖の魚介類を対象にした県の放射性物質の検査で国の基準を超えたものは平成27年4月以降出ておらず、県は豊富な資源を復興につなげるため、検査を継続し、販路の回復を支援することにしています。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20180924/6050002762.html