NTTと産業技術総合研究所は、原子の核磁気共鳴の周波数を微小電気機械システム(MEMS)で制御することに成功した。原子核の回転軸がぶれながらコマのように回る周波数を、機械的にコントロールする。この変化を利用した量子メモリーや量子センサーへの応用を目指す。

 ガリウム・ヒ素の結晶を加工し、両端が固定された板バネ構造のMEMSを作成した。このバネを振動させると固定端にひずみが生じる。ひずんだ部分の原子は核磁気共鳴の周波数が影響を受ける。

 実験で板バネの振動を増減させたところ、5キロヘルツほど共鳴周波数を動かすことに成功した。共鳴周波数を変化させたり、混ぜることができた研究は世界初という。このMEMSの構造は半導体素子に集積できる。NTTが素子作製と計測、産総研がデータ解析などを担当した。

■板バネMEMSと根元の核磁計共鳴変化のイメージ(
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