兵庫県教育委員会は22日、姫路市網干区高田の前田遺跡と中筋遺跡で、古墳時代中後期の集落跡が見つかったと発表した。古墳中期(5世紀)の前田遺跡には竪穴住居跡が少なくとも12カ所あり、朝鮮半島から流入した渡来人の居住を示す須恵器も多く出土。県教委によると、同時期の竪穴住居がこれだけ密集して見つかるのは珍しいという。

 集落跡は県道整備に伴う5月からの発掘調査で発見された。前田遺跡の須恵器はくし状の工具で模様が付けられており、京都橘大学の中久保辰夫准教授(東アジア考古学)によると、朝鮮半島南東部の「加耶」から伝わった技術という。

 中久保准教授は「5世紀初頭の『第1世代』の渡来人と、日本人が一緒に暮らしていた証しが見つかるのは珍しい」と話す。

 前田遺跡の約100メートル北に位置する中筋遺跡でも、古墳後期(6世紀)の竪穴住居跡が少なくとも5カ所確認でき、周辺で長期にわたって人が住み続けていたことも分かった。

 県教委は26日午後1時半から現地説明会を開く。参加無料。前田遺跡他発掘調査現場事務所TEL079・272・9001

 県立考古博物館(兵庫県播磨町大中1)では9月1〜30日に出土品などの展示も行う。

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