■カタツムリを中間宿主とする寄生虫

子どものころに一緒に遊んだカタツムリ、そういえば大人になってからは見かけないな……。
そんなひっそり生きている動物の、さらに内部に暮らす「寄生虫」に焦点を当てた大人たちがいます。
寄生虫のなかでも吸虫類(扁形動物)はその発育環を完成させるために
1つあるいは2つの中間宿主を必要とすることが多いのですが、
一部のものはその中間宿主としてカタツムリの仲間を利用します。写真はすべて北海道旭川市に生息するカタツムリです。
こんなに種類があることをご存知でしたか?


旭川市に生息するカタツムリ。公園に行けばすぐに見つけることができるが、本州では見られない、
もしくは数が少ないものが多い。
A:エゾマイマイ、B:サッポロマイマイ、C:ヒメマイマイ、D:オカモノアラガイ、E:パツラマイマイ
今回私たちは、旭川市内にいるカタツムリがある吸虫の中間宿主になっていることを突き止めました。
さらに、発見した吸虫が未記載種であることがわかり、今回2種を新種として報告しました。
多くの人が目をとめることなく通り過ぎてしまう、公園や道端の足下に広がる生物多様性の世界へご案内します。

■吸虫とは

吸虫類はプラナリアなどと同様、扁形動物に属します。
終宿主(成虫が寄生する宿主動物のことで、多くは脊椎動物)の体内で虫卵を産生します。
外界にばらまかれた虫卵あるいはそこから孵化した幼生は中間宿主(幼虫が寄生する宿主動物で、
2種類必要な場合は順に第1、第2中間宿主と呼びます)に取り込まれ、その体内で幼虫が発育します。
終宿主は中間宿主を捕食することで感染することが多いため、吸虫類の多くは動物間の食物連鎖に強く関連しています。

吸虫の種類によって好む宿主は異なっています(宿主特異性といいます)。
今回紹介するのは、「中間宿主はこのカタツムリじゃなきゃイヤだ!」というこだわりを持った吸虫で、
その終宿主はカタツムリを捕食する動物です。

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