ラットの細胞を培養して作った筋肉を使い、人間の腕と似た仕組みで動くロボットを開発したと、
東京大生産技術研究所の研究チームが発表した。筋肉のメカニズムや老化の研究、
生体と融合可能な義手・義足の開発につながることが期待される。米科学誌に30日、論文が掲載された。

 樹脂製の骨格上に、長さ8ミリ、幅4ミリ、厚さ1ミリほどの大きさの骨格筋を2つ向かい合わせに培養し、
筋肉が互いに引っ張り合う構造にした。主に肘を曲げる働きをする上腕二頭筋と、
伸ばす働きをする上腕三頭筋がつり合うことで動く人間の腕の構造に近い。

 2つの筋肉に電気刺激を与え、一方を収縮、もう片方を伸展させると、収縮させた側に関節の先が曲がる。
先端に輪を引っかけて持ち上げ、また置くという一連の動作に成功した。

 培養した筋肉は次第に縮んで固くなり、
1つの筋肉を使った従来のロボットは約3日で動かなくなってしまう問題があった。
今回は2つの筋肉が引っ張り合うことで縮むのを防ぎ、1週間動き続けた。

 研究チームの森本雄矢助教は「さらに運動神経と筋肉をつなげたロボットを開発し、
ALS(筋萎縮性側索硬化症)や重症筋無力症といった病気の研究に役立てたい」と話した。

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産経ニュース
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