運用を終えて「制御不能」の状況にある中国の宇宙ステーション「天宮1号」が地球へ落下する予測日が2018年3月30日から4月2日の間と絞り込まれ、
いよいよ秒読み段階に入っています。実際にどこに部品が落下してくるのかは「よくわからない」とされる天宮1号がもし自分の目の前に落ちてきたり、
海に流れ着いた時にはどうすれば良いのかを、法的な面も含めて科学関連サイトのLive Scienceがまとめています。

What Should You Do If You Find a Piece of China's Crashed Space Station?
https://www.livescience.com/62112-what-if-you-find-china-space-station-debris.html
https://i.gzn.jp/img/2017/09/19/china-tiangong-1-crash-back-early-2018/00.jpg

天宮1号は中国が2011年に打ち上げて運用していた軌道上実験モジュールです。
実験装置室と物資保管室からなる機体は全長約10メートル、
重量が約8.5トンという比較的大きな人工衛星となっていました。
中国政府は否定していますが、運用が終了した後の天宮1号は制御不能の状態に陥っているとみられ、
徐々に高度を下げて地球に落下するコースをたどっています。


機体の大半は、大気圏突入時の断熱圧縮による熱で燃え尽きてしまうことになりますが、
大きな部品はそのまま地球に落下すると予測されています。
たとえ小さく分解された部品でも、ものすごいスピードで地上に落下してくると大きな被害を生むことも考えられますが、
具体的に落下するポイントは「南緯43度から北緯43度の間の地球のどこか」というほどのレベルでしか判明していない状況です。

幸いなことに、落下が予測されるエリアは大部分が海洋に占められているため、
陸地に残骸が降ってくる確率は極めて低いともみられています。
その確率は3兆分の1とも算出されているので、
自宅や職場、はたまた自分の頭の上に残骸が落ちてくる可能性はほぼなさそうですが、
ひょっとしたら空き地や森に落下した部品を発見したり、
ある日ふと海を見たら浜辺に残骸が漂着していないとも限りません。
そんな時は、宇宙関連サイトcollectSPACE.comで学芸員・編集者を務めるロバート・Z・パールマン氏が挙げる次のような考え方で対応すればOKです。

◆その1:「危ないので近づかない・触らない」
秒速数kmという超高速で大気圏に突入することで、
機体は非常に高い温度にさらされて大部分が蒸発あるいは燃え尽きてしまいます。
そのため、たとえ燃え残った残骸であったとしても高い熱を持っている状態である可能性は少なくありません。
そのような物体に触ると当然ながら「やけど」の可能性があるので、近づかない方がベター。

そして、推進剤として使っていた燃料が付着している可能性があるため、やはり近づくべきではないとのこと。
推進剤にはヒドラジンなどの猛毒性を持つ化学物質が使われていることが多いので、
近づいたり触るべきではないとパールマン氏は解説しています。

さらに、上空での分解で引き裂かれた部品が鋭くとがっている可能性もあるため、やはり手で触れるようなことはすべきでないと述べています。


GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20180326-what-to-do-when-found-space-station/

続く)