パソコンでキーボードを使わず、画面に視線を向けることで入力する「視線入力」。
習熟が難しいとされてきたが、島根大大学院総合理工学研究科の伊藤史人助教(42)
=福祉情報工学=が楽しみながら訓練するソフトを開発したところ、
特別支援学校などの教育現場で活用が広がっている。

 病気や事故で指や腕が動かせなくなっても、視線入力装置を使えば、
画面上の目的の文字に視線を向けることで入力できる。
だが、長時間眼球を動かし続けることは一般的には少なく、
眼球運動に障害があるケースもあることが課題だと伊藤さんは感じてきた。
そこで、「入力できた」という成功体験をゲームで積むことで訓練が苦痛でなくなるよう、
レベルの違う10のゲームを制作した。

 例えば、次々と現れる風船や飛行機に視線を向けると撃墜できるゲームでは、
一定時間内の撃墜数を増やして楽しむ。

目標物を視線でとらえたときに振動する機器を体に接触させておけば、
振動を感じることで入力の感覚を補強でき、効率が高まるという。

視線入力の習熟ソフトでゲームをする利用者=松江市西川津町の島根大
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20180130000903_commL.jpg

朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASL1X6TPDL1XPTIL010.html