日本では毎年冬季に流行するインフルエンザですが、
「有効率が30%程度しかないワクチンをなぜ打たなければいけないのか?」についてQuartzが記しています。

The flu vaccine is only about 30% effective but you should get it anyway — Quartz
https://qz.com/1180874/the-flu-vaccine-is-only-about-30-effective-but-you-should-get-it-anyway/
https://i.gzn.jp/img/2018/01/24/influenza-vaccine/01.png


いくつかの報道で、2017年から2018年にかけてアメリカで使用されるインフルエンザワクチンの有効率はわずか10%になると予測されました。
それに対して、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、2018年のインフルエンザワクチンの有効率は32〜39%になると予測しています。

このように、
ワクチンが実際に流行しているインフルエンザに対して有効かどうかを正確に予測することは難しいわけですが、
専門家たちはインフルエンザが流行する何か月も前に、ワクチンを作り出す必要があります。
そして、インフルエンザウイルスの流行株は変化するため、
保険機関はインフルエンザがどのタイミングで流行するかを予測することが困難です。

なお、毎年2月と9月に、世界中の研究者グループが世界保健機関に集い、
次の冬に北半球と南半球で流行する可能性のある3〜4種のインフルエンザのウイルス株を予測します。

そんなインフルエンザワクチンについて、保健当局は有効率が不十分であることを認めながらも、
人々を守るための最善の方法は「できる限り多くの人々がワクチンを打つこと」としています。
これは科学者が「集団免疫の力」と呼ぶものを高めることにつながるとのことです。

「集団免疫の力」を高めれば、社会で暮らす人々はウイルスや病気にかかる可能性が低くなり、
そうなれば病気にかかった人々の側で生活する機会が少なくなる、
つまり社会全体で病気の発症を減らすことができるというわけ。そうなれば、
高齢者や幼児、慢性的に病気に苦しんでいる人など、免疫系の弱い人々が生死を分かつような重大な病にかかる可能性も減り、
発症率の低下だけでなく死亡者数の減少にも確実に寄与するはずです。

以下の図は「集団免疫の力」の効果を示したもの。青色の人はワクチンを接種していない健康体の人、
黄色はワクチンを接種した健康体の人、赤色はワクチンを接種していない病気を発症した人を示しており、
ワクチンを接種した人が多ければ、病気の蔓延を食い止めることができるとよくわかります。


関連ソース画像
https://i.gzn.jp/img/2018/01/24/influenza-vaccine/s04.png

GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20180124-influenza-vaccine/