中国のスマホの国内出荷台数は2016年に5.6億台だったのが、2017年に4.9億台、2018年に4.1億台、2019年に3.9億台、2020年に3.1億台と、年々縮小し続けている。スマホは2年もしたらバッテリーのもちが悪くなって買い替えたくなるものだが、買い替え需要があまり発生していないのだ。  
ここからバッテリーのもちが悪くなっても買い換えないで頑張っているユーザーが多いということが推察され、それは庶民の懐具合が我々の想像を遥かに超えるほど悪化していることを意味する。毎年6%以上の経済成長を続けている国の姿ではないだろう。  
では、庶民はダメでも富裕層の消費が伸びているということはあるのだろうか。  そこで中国の乗用車の販売台数の推移を見ると、2017年に2376万台だったのが、2018年に2235万台、2019年に2070万台、2020年に1929万台と、やはり年々落ちている。これを見ると富裕層の消費が伸びていることも考えられないのだ。
つまり、毎年6%以上の経済成長を続けてきたという話自体がフェイクだと考えないと説明がつかない。  
習近平は改革・開放と民営化によって伸びてきた中国経済を、社会主義的統制を強化することでどんどんと潰している。例えばアリババなどのIT企業がさらに伸びれば、ITによる世界支配に貢献できるであろうに、習近平は愚かにもこうしたIT企業を解体・弱体化する方向に舵を切っている。  
習近平独裁体制が強化される中で、習近平のやることに誰も異論を挟むことができなくなり、経済の崩壊速度が高まっているのだ。そしてこの現実を覆い隠すために、経済統計のフェイクのレベルが以前よりも強化されていると見るのが、正しい中国経済の見方になる。