毎日新聞2020年4月22日 15時31分(最終更新 4月22日 17時17分)

 新型コロナウイルスの感染拡大で政府が国民に一律支給する10万円を巡り、広島県の湯崎英彦知事は22日、「県職員から給付金を集めることはない」と述べた。県職員の受け取り分を募り、休業要請に伴う支援金などの対策費に活用する考えを示していたが、県議会や県民から抗議が相次ぎ、事実上撤回した。

 湯崎知事は21日の記者会見で「財源を捻出するため聖域なく検討したい」と話し、県職員からの10万円を基金に積み立てるなどして対策費に充当する意向を表明していた。

 県によると、発言の趣旨を尋ねるメールが県庁に2400件以上寄せられ、ほとんどが批判的な内容だったという。記者団の取材に22日応じた湯崎知事は「強制的に徴収するような誤解を与える表現だった」と謝罪。ただ、職員への協力は改めて呼びかけるとし、自身の報酬については減額を県議会に提案するという。【池田一生】

https://mainichi.jp/articles/20200422/k00/00m/040/113000c