・国籍付与の条件は、洞窟から救出されること?

タイ政府は、北部チェンライ県のタムルアン洞窟から救出された少年のうち3人とコーチへの国籍付与を決定した。サッカーチームの少年12人とコーチは15日間、大雨で水位が上がった洞窟に閉じ込められていた。全世界が成功を祈って救出作戦を追った。救出に成功し、病院に搬送された時、一部の少年にはタイ国籍の証明書がないと判明。これは、貧富の差を問わず各国に存在する無国籍者の問題へと注目を集めた。

タイは無国籍者問題の解決における地域のリーダー。過去10年間で約10万人に国籍を付与。2024年までには、さらに48万人の無国籍者の問題を解決する方針だ。これは主に遠隔地や国境付近の地域に住み、出身国とのつながりを失った人びと。彼らは国籍付与の流れに関する詳細を知らない。だが、国籍を持たない彼らは高品質な医療・社会的援助や不動産の所持、自由な移動、教育などの権利がない。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のキャロル・バッチェラー特別顧問が出した声明はこうした状況を受けたもの。
http://www.unhcr.org/news/press/2018/8/5b6be9b84/unhcr-welcomes-move-thailand-grant-citizenship-boys-coach-rescued-cave.html

UNHCRのまとめでは、世界の1100万人が無国籍だと推定される。うち350万人(40%強)はアジアに住んでいる。これはタイの民族的少数派や、ネパールのブータン人、ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャ、シリアやイランのクルド人である。また、東西欧州に住むロマ(ジプシー)や、以前の居住地を離れた旧ソ連市民などもいる。

ロシア内務省のまとめでは、ロシア国内には数万人の無国籍者がいる。2019年6月から、15年以上ロシアに住み、改正国籍法を満たす人は、簡易化された手順でロシア国籍を入手できる。

2018年08月31日 22:38 スプートニク日本
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