ブラジル政府は21日、2011年の福島第一原発事故後から続けてきた福島県産品の輸入規制を完全撤廃すると発表した。
震災前にブラジルが福島県産品を輸入した実績はほとんどないが、ブラジルを訪問中の宮腰光寛首相補佐官は「規制を続ける他の地域への大きなメッセージになる」と語った。

 ブラジルは原発事故直後から、日本産の農産物や食品の輸入を規制。
12年12月以降は福島県産品に限り、放射性物質検査や産地の証明書を義務づけるなど厳しい基準を課してきたことから、日本政府は規制を廃止するよう働きかけてきた。

 福島県によると、原発事故後に54カ国・地域が福島県産品など被災地域の輸入を規制した。22日現在、一部輸入停止を含め規制を続けているのは中国や米国など25カ国・地域。
宮腰首相補佐官は「ブラジルが科学的根拠に基づく適正な判断をしたことに感謝したい。他国の緩和に向け、さらにがんばりたい」と話した。

朝日新聞デジタル
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