パレスチナ自治区ガザ地区で、
国際NGO「国境なき医師団(MSF)」の日本人2人が緊急医療支援活動を続けている。
在イスラエル米大使館のエルサレム移転などに抗議するデモで、
イスラエル軍の銃撃により60人以上が死亡し、多数のけが人が出た現場だ。

 ガザ市最大のシファ病院の手術室に27日午前、足を撃たれた患者が次々と来た。
外科医の渥美智晶さん(42)=長崎県=が看護師と銃創の手術をしたり、
感染症を起こさないための処置をしたりしていた。

 20日から2週間の予定で1日5件以上の手術にあたる。
患者の多くは10〜20代の男性。銃弾の入り口の傷は小さく、出口の傷が約10〜30センチと大きい。
弾丸が破裂して骨が割れるなど重度の銃創が目立つという。

■重度の銃創、足を失う危険

 「デモの参加者を銃で撃つことは日本ではあり得ない」と言う渥美さんは
「主に下半身を狙って撃っているが、傷口が開いて感染症のリスクが非常に高い。
足を失う危険もあり、後遺症は深刻だ」と指摘した。

 ガザ市内のPFBS病院では、看護師の佐藤真史さん(48)=大阪府=が患者の手当てをしていた。
今回が初めての派遣で、期間は5月上旬から約1カ月。
「足を撃たれた10歳の男の子が手術中に涙を流して(イスラム教の聖典)コーランを唱え、いたたまれなかった」

■67人死亡、3500人超負傷

 ガザ保健省によると米大使館が移転した14日以降、抗議デモで67人が死亡、3500人超が負傷した。
シファ病院には14日だけで約500人の患者が来た。
手術室を6から12に増やし、24時間態勢で治療を続けたが、なお数十人の重傷患者を抱えている。

 イスラエルがヨルダン川西岸やガザ地区などを占領した第3次中東戦争開始から51年の6月5日、
再び大規模なデモが呼びかけられている。
シファ病院のアイマン・サハバニ救急部長は
「必要な医薬品の半分ほどしかなく、手術中にも停電が起きるので発電機が不可欠だ。
再び多くの死傷者が出て、状況が悪化することを懸念している」と話す

画像:シファ病院の手術室で患者の手当てをする医師の渥美智晶さん(右)
=2018年5月27日、ガザ市、
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