5月14日 14時30分
給料の振り込み先は銀行口座ではなく携帯電話に。そうした状況がアフリカで広がり始めています。今、途上国の中には、銀行によるサービスが根づく前に“一足飛び”に、電子マネーが普及する国が出てきています。
その代表例がアフリカの中でも経済成長著しいケニアです。「銀行に頼らない金融サービス」とはどんなものか、意外な電子マネーの先進国 ケニアを取材しました。
(国際部記者 戸川 武)

取材のきっかけは邦銀幹部が語った危機感

「日本の銀行は変わらなければならない。なぜなら世界では、ケニアのように、銀行を介さない金融サービスが急速に普及しているからだ」

去年秋、海外駐在の経験が長い日本のメガバンクの幹部が、少人数の勉強会の場でこう語りました。この幹部は、従来型の金融サービスが、
IT技術の進展に追いついていない現状に強い危機感を訴えながら、将来の金融システムを考えるうえでの参考例として、先進国ではなく、アフリカのケニアをあげたのです。

なぜケニアで新しい金融サービスが普及しているのか、この幹部の発言をきっかけに、私はアフリカ大陸での取材を始めました。


現金お断り! 給料は電子マネーで

ことし2月、私はケニアの首都ナイロビを訪れました。取材を始めてまもなく、市の中心部に車を駐車したときのことです。突然、駐車場の管理人から「駐車料金は電子マネーで払ってください」と言われました。

聞いてみると、現金払いはお断り。早速、ケニアのキャッシュレス社会の洗礼を浴びせられました。
街を取材してみると、たしかに現金やクレジットカードを使っている人の姿も見られます。ただ、街のあちこちに「電子マネーOK」の文字が。

スーパーや市場での買い物、レストランでの支払いに加えて、電気代などの公共料金や家賃の支払いにも、電子マネーが利用できるようになっていました。
ナイロビ市民にインタビューしてみると、「給料を電子マネーでもらうことも多いよ」という声が返ってきました。

電子マネーが生活に欠かせない社会がそこにありました。


取引額はGDPの半分超 人口の6割が利用
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2018_0514.html