【4月30日 AFP】オーストラリア最高齢となる科学者で、
2年前に大学から退職勧告を受けて論争の的となったデービッド・グドール(David Goodall)氏(104)が来月初旬、
自らの命を絶つためスイスへ向かう。これを受けて同国では、安楽死をめぐる議論が再燃している。

 安楽死支持者の話によると、グドール氏は不治の病を抱えているわけではないものの、
生活の質は低下しており、スイスのバーゼル(Basel)にある自殺ほう助機関で優先予約が認められたという。

 生態学者のグドール氏は今月迎えた誕生日に、豪ABCに対し「こんな年に達してしまい、残念でならない。
私は幸せではない。死にたい。特別悲しくもない。悲しいのはそうさせて(死なせて)もらえない場合だ」と語っていた。

 さらに、「私が思うに、私のように年老いた者には、ほう助自殺の権利も含めた完全なる市民権が付与されるべきだ」という持論を展開していた。

 ほう助自殺は大半の国で違法行為とみなされる。オーストラリアのビクトリア(Victoria)州では昨年、
同国で初めて、安楽死の合法化法案が可決され、来年6月に施行されるとはいえ、
対象となるのは健全な精神状態を持つ末期患者で、かつ余命6か月以内とされる場合に限られている。

 パース(Perth)にあるエディス・コーワン大学(Edith Cowan University)の名誉研究員であるグドール氏は2016年、
大学側から退職を勧告された。この件は物議を醸し、国内外のメディアが報道。
世界中の科学者らから抗議と同氏への支持が集まり、この勧告は取り下げられていた。(c)AFP

画像:豪パースにある自宅で写真撮影に応じた、デービッド・グドール氏
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AFP
http://www.afpbb.com/articles/-/3173106