■3月18日に大統領選を控え、ますます強い指導者を演じるプーチンにとって、頼りは核兵器だけ?

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、
敵から核攻撃を受ければ「たとえ世界の終わりになろうと」迷わず核攻撃で報復する、と警告した。

3月18日の大統領選を前に、プーチンはロシア政府寄りのテレビ番組の司会者とのインタビューに応じ、
歯に衣着せぬ発言がインターネットで公開された。

有力な対抗馬がおらず、プーチン4選は確実とされるが、近年ロシアの投票率は過去最低に落ち込んでいる。
それを懸念してか彼は最近、外国の攻撃からロシアを守る最後の砦は自分しかいない、と言わんばかりの強硬な発言を連発し、
メディアの注目を集めている。「強いロシア」を実現できる「強い大統領」が売りだ。

■ロシアがない世界は無用

核戦争について尋ねられたプーチンは、
もしロシアの防衛システムが敵の核ミサイル発射を察知すれば核兵器で報復する、と言った。

「相互攻撃というものだ」と、プーチンは2時間のドキュメンタリー番組『世界秩序2018』で語った。
「誰かがロシアを破滅させようと決断したら、われわれには報復する権利がある」

核攻撃をすれば世界が終わるとする見方に対してはこう答えた。
「そう、世界を巻き込む大惨事になるだろう。だがロシアが存在しない世界など、そもそも無用じゃないか」

プーチンが大統領選で4選を果たし、さらに6年の任期を全うすれば、最高指導者としての在任期間は首相時代を含めて24年になる。
旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリン書記長以来の長期政権になる。

3月1日の年次教書演説では、会場を初めてクレムリン(大統領府)の外にある近代的な展示場に移し、
大型スクリーンに「無敵」の核兵器を次々に映し出すパフォーマンスをした。

関連ソース画像
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ニューズウィーク日本版
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