インド政府は1日、貧困や弱者など1億世帯を対象に、
年間50万ルピー(約85万円)を上限として、病院での医療費を政府が負担すると発表した。
これは、政府が現在貧困世帯向けに拠出している額の15倍以上に上る。

ジェートリー財相の推計によると、およそ5億人がこの制度の恩恵を受ける見通し。

満額を支出した場合のコストは7800億ドル近くに達し、
経済規模2兆4000億ドルのインドにとっては相当な負担になる。

ジェートリー財相は予算案発表の演説の中で、
「政府は堅実に、だが確実に国民皆保険制度へ向けて進展しつつある」と強調した。

インドでは医療機関を受診しやすい態勢の整備が重大な課題になっている。
公立病院は数が少なく、予算不足や人員不足に悩む施設も多い。

政府の昨年の統計によると、13億人の人口に対して正規の医師の数は100万人ほど、
公立病院は1万5000に満たない。

1人当たりの医療費は2014年の平均で267ドルだった。
これに対して、世銀の統計で米国は9403ドル、英国は3377ドル、中国は731ドル。

国民の多くはやむなく私立病院を受診するが、
年間賃金が平均の2000ドルに満たない層には治療費が払えず、
借金をしたり貴重品を売ったりするなどしてしのぐ人も多い。

政府は遠隔地に健康医療センター15万カ所を設置する計画を進めており、
そのための予算約1億9000万ドルも割り当てられた。

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CNNニュース
https://www.cnn.co.jp/world/35114106.html