◆「LGBTが生まれる原因は環境汚染、人類がトランスジェンダー化」英の重鎮政治家が発言! ゲイを汚物扱いしていると大炎上、真相は!?

「大気汚染が性同一性障害を招く」――イギリスの重鎮政治家がそう証言し、イギリス中がざわついている。

■“環境ホルモン”がトランスジェンダー化の原因?

イギリス保守党の元幹事長、ロード・ノーマン・テビット氏86歳。
英メディア「テレグラフ」で、環境と性同一性障害の相関性について極端な持論を全英に披露した。
テビット氏によると、汚染された空気に触れる時間が長いと、「自然現象」として性同一性障害になってしまうようで、実際にそう信じている科学者もいるとのことだ。

彼はそう熱く語る。
だから、プラスチック、化粧品、シャンプー、殺虫剤、それら関連化合物から出るエストロゲン作用を懸念するのだ、と……。
しかし、化学物質と性同一性障害との関連性について「それを信じる科学者もいる」と言いながら、インタビューでは、一切科学的な根拠を示さずにいる。

「環境汚染のせいで性同一性障害になった」――これではまるで、性同一性障害があたかも「害悪」のような響きを持って人々の心に届いてしまいかねない。
彼は、自分自身が重鎮政治家であり、イギリスではそれなりに影響力がある地位にいるということをすっかり忘れてしまっているのだろうか? 

取材したテレグラフのインタビュアーは、結局、科学とLGBTの相関性よりも、テビット氏の現代社会に対する無神経さに注目することになり、彼の「人間の多様性を思いやらない政治姿勢」を指摘して締めくくった。
そもそも、人生はその人自身が満足して過ごせれば良いはずだ。

LGBTも単なる個性である。
しかし、世の中の勝手な風潮から、本来は感じなくてもよい汚名を我が身に感じさせられ、個性にすぎないLGBTを公言できず、ひたすら苦しみ続ける人も多い。

実際に、イギリスのあるアンケート結果では、性同一性障害の人たちの自殺願望率は41%という大変高い結果が出され、この割合はイギリス国民全体の1.4%に相当するというのだ。
さらに、社会のこうした差別が原因なのか、性同一性障害者がいる家庭は低所得に陥らされているいう。
どういうことか?

■LGBTのいる家庭は賃貸契約・不動産購入に不利?

イギリス政府は、4年前に全英でアンケートを行い、LGBTの該当者がいる家庭は民間住宅を与えてもらえない、と思われるアンケート結果を公表した。
このアンケート結果によると、全体の回答者数のうち、立ち退き被害を受けたLGBT家庭は全体の11%、ホームレスになった家庭は19%だったという。

当然、住宅を売る側の民間業者は「我が社はLGBT家庭には家を売りません、貸しません」と表立って言うはずもないため断定はできないが、この高確率の数字の背景にあるイギリスの特異な風潮にピンと来る人もいるだろう。
イギリスでは今回のテビット氏のケースのみならず、過去にも、第二野党英国自由民主党の党首候補者だったスーザン・キング氏が、やはり環境汚染とLGBTの相関性を指摘して全英をざわつかせたことがある。
キング氏は、多すぎる女性ホルモンと環境破壊の相関性を「社会の懸念事項」として挙げ「人類の本質的な性別に悪影響を与えている」と訴えた。

さらに、水質汚染が人類をゲイ化させている、と主張していたという。
これではまるで「良い環境にいると人間は生まれたままの性別で生きていけるが、悪い環境に“汚染”されるとゲイになる」と、ゲイを汚物扱いしているみたいだ。

環境が人体に与える影響という、あくまでも医学や自然科学の話は人間にとって役立つが、個人の存在を「クリーン」、「汚染」などと区分けすべきではない。
生き方の多様性が求められる現代なら尚更だ。
環境保全意識を持つのは良いことだが、それ以上に、個を尊重する意識をお互いが持つことが、人間社会の「クリーン化」につながるのではないだろうか。

写真:http://tocana.jp/images/transgenderexplosion1.JPG

TOCANA 2017.11.20
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